あかいらか

令和元年度全日制第3学期始業式 講話

 令和2年がスタートしました。3年生は、来週末(18日、19日)に迫ったセンター試験を皮切りに大学入試が始まります。ここまできたら、焦らず、自分を信じて、自信を持って臨みましょう。何より生活のペースを乱さないことです。これまでの勉強のペースを乱さないこと。規則正しい睡眠、食事の質、風邪予防や胃腸の具合を整えるなどの健康管理に注意してください。

 年末年始、こんなニュースがありました。2019年生まれの日本の赤ちゃんは86.4万人で、初めて90万人を下回ったということです。2018年生まれの赤ちゃんが91.8万人、2017年は94万人でした。ものすごい勢いで赤ちゃんの数が減っています。2020年に成人式を迎える方が122万人だそうです。122万人が20年間で100万人を切り、とうとう86万にまで減っているのです。一方で、世界の人口は、ものすごいペースで増えています。現在77億人、2050年には、97億人と20億人増えるという予想があります。私が高校生の頃、世界の人口は40億人くらいだったと覚えています。皆さんが40代後半の頃には97億人です。そして77億人の3人に1人が、2000年以降生まれの世代で25億人います。世界人口が増え、日本の人口が減る、日本に来る外国人は大幅に増えることが予想されます。グローバル化の進展と簡単に言いますが、ダイバーシティー(多様性)のある社会、組織は、もう待ったなしで身近に迫ってきています。グローバルスタンダード(世界標準)を意識しないと、日本人の価値観をベースに物事を考えていては世界の潮流に取り残されてしまいます。

 こんなニュースもありました。2019年(昨年)の日本の平均気温は、気象庁の発表では、+0.92度で過去最高を記録したそうです。特に東日本では1.1度の上昇です。平均気温が確実に上昇しています。年によってばらつきがあるため、1981年~2010年までの30年間の平均と比較をするのですが、1年で1度近く平均気温が上がったことになります。日本の年平均気温は、長期的に見れば100年あたり1.24℃の割合で上昇しています。特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。上昇のペースは上がっているように感じます。

 世界の平均気温は、+0.42度だったそうで、これもまた上昇傾向にあります。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんが、声を震わせながら訴えていましたが、地球の温暖化は、台風や洪水、干ばつ、熱波などの自然災害だけでなく、食糧問題や経済活動への悪影響が予想されます。心配です。

 今から80年前の1930年ごろ、経済学者のケインズは「100年後には、1日に3時間も働けば必要なものは得ることができるようになるだろう」と書いていたそうです。人工知能(AI)やロボットで代替される仕事が増え、無くなる仕事、新たに生み出される仕事があり、働くことの意味が変わりつつあります。かつて、工場での体を使った労働で作った製品をお金に換えていた時代から、情報や知識が価値を生む時代、アイデアが重要な時代になってきています。1つの会社に定年まで勤めあげる終身雇用から、その人の持ったスキルに対し、お金が支払われる時代、同じ時間働いても、収入に大きな差が出る経済格差が広がってきています。新たな技術への対応力、発想力、柔軟性など、すごいスピードで変化する社会の中で、常に学び続ける必要があります。次世代通信規格「5G」や量子コンピューターの開発などによって、大きなブレイクスルーが起こることも予想されます。私たちの不安をよそに、テクノロジーは、恐ろしいスピードで進んでいます。未来予測が、なかなか難しい時代です。

 また、SDGs(エス・ディー・ジーズ)、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)、国連で採択された17の目標は、様々な場面で使われています。お金儲けだけではなく、自然や環境、貧困や飢餓など、SDGsを意識した、社会や私たちへの暮らしへの貢献が、新たな企業価値の指標となってきています。

 2020年は、オリンピックの年、よい1年になって欲しいと願っています。変化の激しいこれからの時代を生きる皆さんに、人工知能には真似できない能力を身に付けてほしい。ベースは、高校時代に身に付けるべき教養です。そして、単にものを覚えるだけでなく、より深く考えること、自分なりの意見を加えて友達と話し合ったり、実際行動に移したりというアウトプットの経験も積み重ねてほしいと思います。熊谷高校の日々の活動を一生懸命に取り組む事で、これらの能力は身に付くと思います。がむしゃらに、貪欲に自分を成長させて欲しい。熊高での3年間で、自分の力を伸ばしてほしいと思います。皆さんが学ぶ目的は、大学へ入学することだけではないはずです。社会へ出てから諸君はリーダーの一人として活躍する人間にならなければなりません。日本の将来を支える人材として育ってほしい。そのためにも、幅広い知識と教養を身に付けてほしい、様々な経験を通して、いろいろなことを学んで欲しいと思います。