校長室より

中国初の首位 質の高い(影響力が大きな)論文数 日本10位

文部科学省科学技術・学術政策研究所の「科学技術指標2021」などによれば、

自然科学の研究で多数の研究チームが引用する質の高い論文の数で、

中国が米国を抜いて初めて世界1位となりました。

 

同研究所は、米調査会社クラリベイト・アナリティクスのデータを基に

主要国の論文数などを分析。

年による変動が大きいため3年平均で算出。

中国の17年(16~18年の平均)の論文数は30万5927本。

米国の28万1487本を上回り1位。3位はドイツで6万7041本。

日本は6万4874本で前年と同じ4位でした。

 

日本は国内での研究力の低下に加え、

国際共著の論文も欧米に比べて伸び悩んでいます。

 

日本は研究者数(官民で68万人)と

研究開発費(同18兆円)は米中に次ぐ世界3位。

論文総数も上述したように4位を占めていますが、

被引用数が各分野の上位10%に入る論文数は、

共著者の所属機関で国ごとの貢献度を考慮する計上法で3787本となり、

中国の1割程度、主要7か国(G7)最下位の10位。

 

被引用数が上位1%のトップ論文の数では、

米国が1位を守り、中国は2位。日本は9位を維持しています。

 

被引用数が多いほど論文の注目度が高く、

科学の発展に大きなインパクトを残したと評価されます。

日本は00年代半ばから低下し続ける一方、

同じ時期に中国は影響力を伸ばしてきています。

 

米中の得意分野は分かれています。

中国は材料科学、化学、工学、計算機・数学での引用が高く、

米国は臨床医学、基礎生命科学が高い。

 

同研究所の伊神正貫・科学技術予測・政策基盤調査研究センター長は

「中国の躍進には研究者数や研究費の伸びが

非常に大きな影響を及ぼしている」と分析。

日本の低迷については

「大学教員の研究時間が減り、論文数が伸び悩んでいる」

との見解を示しています。

 

日本は退潮傾向です。

論文数は20年前には世界2位だったが17年は4位。

注目論文は20年前の4位から17年には9位に。

研究者数は横ばいにとどまっています。

 

生徒の皆さん、今後の参考にしてください。

 

【質の高い(注目度高い・影響力が大きな)論文数】

1(2)    中国    40219

2(1)    米国    37124

3(3)    英国     8687

4(4)   ドイツ    7248

5(5)   イタリア    5404

6(6) オーストラリア  4879

7(8)   カナダ    4468

8(7)   フランス    4246

9(10)   インド    4082

10(9)    日本    3787

 

    ( )は昨年の順位

 

  読売新聞  朝日新聞  日本経済新聞  毎日新聞 参照