あかいらか

2019年12月の記事一覧

令和元年度全日制第2学期終業式 講話

 スタンフォード大学クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」というのをご存じでしょうか。「個人のキャリア(経歴、職業)の8割は、予想しない偶発的なことによって決定される」という理論です。将来の夢、職業、どの大学に行くかと悩む生徒も多いと思います。私自身も高校時代、大学入試結果が自分の未来の大部分を占めるような錯覚を覚えて不安になったのを覚えています。しかし私自身、大学を卒業し30年以上たった今からみると、あの時の経験が自分を成長させたと思うことはあっても、結果として他の大学に進学してもそれほど自分の人生が暗いものになったとは思えません。違う仕事を選び、別の人生を歩んで、それはそれで面白かったのではないかと思えます。先日、高校の同窓会がありましたが、かつての友人で自分の希望通りの夢を実現している者は多くありませんでした。昔の姿から想像もつかない職業に就いている者が多いように思いました。自分のキャリアは、夢に向かってのたゆまぬ努力で積み上げていくもので、努力の過程は重要ですが、人生には予想もしない出来事が待ち構えており、自分の思うとおりになりません。努力の結果、何かに失敗してもそれは仕方のないことです。夢に固執しすぎると、人生の好機を逃すことにもなると思います。失敗を引きずってくよくよしたり、劣等感を持ったりするのは、あまり意味がないと思います。

 三年生諸君は、人生のキャリア形成上で最初の分岐点にさしかかっています。希望通りの進学を決めた者、これから受験を迎える者と様々です。入試に失敗し浪人する者も、それまでの努力や頑張った経験が大事なのであって、どんな結果でもそれが自分の人生にとってベストの選択であったと思える時が必ず来ると思います。大切なのは、自分の下した決定を後から迷わない事、後悔しない事です。偶然のこの分岐点を前向きのチャンスに変えるには、自身の気持ちの持ち方次第だと思います。自分の未来は、誰でも予想できません。進むことになった道が、自分にとってベストの選択であると信じて、迷いなくその道で頑張ることが、幸福につながるのだと思います。

 偶然を自分のステップアップに変えていく行動指針として、クランボルツ教授は5つのポイントを掲げています。

 ①好奇心(新しい学びの機会を探し続ける、アンテナを高くする)

 ②持続性(失敗に屈せず続ける)

 ③楽観性(きっとうまくいくとボジティブに考える)

 ④柔軟性(1つにこだわりすぎないで、時には自分の信念や行動を大胆に変える事)

 ⑤冒険心(リスクが予想される場面でも、敢えて行動を起こす)

の5つです。

 夢を諦めないで努力を続けることは大切です。新しい事を怖がらず、失敗を怖れず、いつまでもくよくよしないで、すぐに次の行動に移す習慣を持つこと、自分の興味のアンテナを高くして、自分の成長に有益な情報や人との出会いは逃さないこと、そうした経験の積み重ねが人間としての厚みを作ると思います。人生を振り返って「あの時の偶然があったから、今の自分があるのだ」と言える時が必ず来ると思います。

 3年生は、そんなことを言われても、目前のセンター試験、大学入試で、精いっぱいだと思います。自分の能力を信じて、今現在を最大限に頑張る、その経過が大切なのであって、結果としてどんな方向に、自分が流れていくとしても、決して後悔しないでその道で頑張って欲しいと思います。

 時代の変化が非常に速いです。今の時代の価値観は、わずか数年後には大きく変わっているかもしれません。人口減少、AIの発達、国内でのんびりしている時代ではなくなってかもしれません。大学に行って、卒業して、安定した企業に就職して・・・という価値観も、これからは変わっていくと思います。狭い世界に閉じこもらないで、広くアンテナをはって行動すること。安定志向に陥らない事が大切です。

 3年生は、体調管理に注意して、これまでやってきたことを信じて、続けてほしいと思います。諸君に言えるのは、「粘り強く、諦めず、根気強く努力するしか道はない」ということです。年末年始は、何かと誘惑が多く、時間の使い方が不規則になり、生活が乱れる人もいるかもしれません。諦めずに粘り続けて欲しいと思います。ここからの、1、2か月が、成績が大きく伸びる時期です。

 また、1、2年生諸君は、新年を迎えるこの時期に、先を見通して、計画的に勉強して欲しいと思います。2年3学期は、同時に3年0学期でもあります。多くの受験生は、2年生のときから本気になって大学受験の準備をしています。頑張ってください。そして、よいお年をお迎えください。以上です。

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